100時間で技術士二次試験に合格した勉強法       

技術士試験

※ 本記事および関連記事の内容を2025年5月に再編成し、noteにて公開しました。

※ 2027年2月に記事更新

※ 100時間で技術士二次試験に合格した勉強法【前半】

※ 100時間で技術士二次試験に合格した勉強法【後半】|nick-blog (note.com)

 AIを使った更なる時短学習法はコチラ(note記事)


技術士二次試験対策における生成AIの活用について|nick-blog


以下は私のblogでの初めての記事だったこともあり、更新したものを記念に残しているものです。有料記事と差をつける意味で、一部の情報(コンピテンシーと設問の関係、本年度の傾向予測等)は伏せていますが気に入ってもらえれば↑のリンク先から全文を読んでみてください。


技術士について

建設業界(主に土木)での資格といえば、まず思い浮かぶのが『技術士』ではないでしょうか。

公共事業の業務発注における監理技術者となるために必要な資格の中で、最もメジャーかつ信頼度の高い資格です。昇格要件資格手当の対象としている会社(主にコンサルタント)も多く、職種によっては技術士の取得=一人前の技術者のような扱いをされる場合もあります。

このため、土木業界では(特にコンサルタント業に従事する技術者には)、取得時期が早いか遅いかで人生が大きく変わる資格のように思います。
初めて本記事を書いてから5年が経過し、転職の機会が増えつつある今、その傾向はより顕著になっていると感じます。

技術士の資格を得ることのメリットはこちらの記事にまとめていますが、私の様な土木技術者にとっては人生をより良く生きるためのチートアイテムの一つのように思います。

ただし、技術士資格は所有によって技術力を証明できるというものではありません。私の周囲を見回しても、技術士資格を持っていなくても優秀な技術者は沢山いますし、逆も然りです。

とはいえ、土木業界では職種にもよりますが普通免許みたいに思われているところもあるので、早めに取得して業務に集中するための資格だと私は思っています。

私自身も比較的早い段階で技術士資格を取得できたのですが、技術士取得を契機に、色々と環境が変わっていったように思います。

私の仕事はコンサルタントではないため、私が資格取得をした当時は、特に若手技術者の中では自己啓発意識の高い者以外は技術士を取ろうとするのは少数派でした。
そのような事情もあり比較的若い時期から技術士を持っているということで、『技術力が高い』『地力が高い』という評価をもらうようになり、社内コンサル部門や最盛期の現場へ配置、国際学会への派遣、等の機会に恵まれるようになりました。

また私自身も、技術士取得を契機に、業務に役立つ他の資格についても取得する意識が働き、他の資格も取得意欲がわき、学習習慣が身に付いたように思います。

技術士の資格取得を通じて、朝活で技術的な勉強をする習慣がついたことで同年代の同僚達と比べて技術力や知識が徐々に差がついてきたように思います。また、専門技術以外の様々な分野の本を読むようになったのもこの頃からです。

時間経過とともプロジェクトの成果や学会賞などの実績も積み上がり、現在では客員准教授として大学で講義を受け持ったり、社内外でも技術力という点で一目置かれるような存在になってきたように思います。

もちろん資格取得だけで、その様な状況になったわけではないですが、技術士試験に取り組み、技術士合格により自信を持ったことが私の技術的な経歴を変えていく契機の一つであったと思います。

そんな技術士試験ですが、二次試験の合格率10%程度の狭き門です。(建設部門の場合)

優秀な技術者であるにも関わらず、受験にあたってのノウハウを知らないせいで何年も資格取得にチャレンジされる人も多いです。そして、結果的に数百時間という膨大な時間を試験準備に投じなければならないもケースもあります。

画像

非効率な勉強方法は人生の時間を奪います

しかし、『可能であるならば、1回の試験で、効率的に勉強し、少ない勉強時間で技術士試験に合格したい』と考える方が多いのではないでしょうか?

私は運が良かった部分もあるとは思いますが、技術士(建設部門)の二次試験に1発合格しており、筆記試験の勉強時間は100時間程度でした。

Webで調べた限りでは、技術士(建設部門)の二次試験の合格者の平均的な勉強時間は、300~500時間くらいのようで、人より勉強時間は短くはありましたが、受験前には『余程、変な問題が出題されなければ、多分合格するだろう』という自信もありました。

このような自信を持てた理由は私がメンターから教わった正しい勉強順序と勉強方法で十分な勉強をしてきた自負があったからだと感じています。

※ 当時の私は当時の私は、特別知識が多かったわけでも、論文を沢山書いた経験があったわけでもありません。普通の中堅技術者だったと思います。それまで一次試験も受けてこなかったので、前年に一次を受けるところからのスタートです。

人生の時間は有限ですから、出来ることなら1発で合格して、それからは自己啓発や資産形成など人生をより良く生きるための勉強や、趣味や娯楽などの時間に費やしたいものです。

技術士二次試験を初めて受験する人などは、論文試験という特殊な試験であるがゆえに、『どの様に学習を進めたらよいのか分からない』という人も多いのではないかと思います。

本記事では、メンターからの指導に私の経験も踏まえ、技術士試験(特に建設部門)のための効率的な勉強順序と学習の進め方を紹介します。

本記事を読んでもらうことで、以下のことが分かり、効率的な資格勉強が行うことができるようになると思います。

  • 技術士試験で求めれる知識
  • 想定問題の設定方法
  • 論文作成の練習の方法

私が建設部門で技術士資格を取得しているため、記事の内容は建設部門を受験することを前提としておりますが、他分野でも応用できるTIPSを中心に記載しますので、他分野を受験される人でも参考になる部分はあると思います。

私自身の受験時期は今(2026年)から10年以上前で、かなり時間が経過しています。しかし、昨今の試験問題の傾向を分析からも本記事の内容は十分適用できると考えています。受験対策の根本的な部分は変わっていません。

問題文の作成や評価を行う試験官の立場になったことを想像すれば、自然なことかと思います。(私自身も試験官の委任を受けたことがあります。当時、多忙を極めていたためお断りしましたが。)

以下に、近年の試験傾向の変化について、若干補足しておきます。

2019年以降、国際エンジニアリング連合の資格Professional Competencies Profilesとの整合性の観点から、試験方法が見直しされました。
この結果、試験における確認事項が明確化されるとともに、設問形式が統一されました

しかし、これらは、受験者にとっては答案の書き方がより明確になり、取りこぼしを減らす要素と考えています。このあたりのテクニカルな話は、後半の記事等でフォローしていきます。

本記事の対象者としては、以下のような人を想定しています。

  • 技術士試験を初めての受験する人
    (特に「河川砂防」「道路」「都市計画」「鉄道」「建設環境」を受験予定の人)※
  • これまで独学中心で勉強をしてきた人
  • 効率的な勉強方法を再確認したい人

※ 建設部門でも、「土質及び基礎」「鋼構造及びコンクリート」「施工計画」「トンネル」「施工計画、施工設備 及び積算」については、個別技術の要素が強く、選択科目独自の傾向があるので、本記事で紹介する内容がそのまま当てはまりにくいです。「電力土木」については所掌が経済産業省となるため、同様に本記事の内容が当てはまるかはわかりません。


本記事の構成は次のとおりです。
技術士試験(特に建設部門)のための効率的な勉強の進め方を紹介します。

5.は記事が長くなりすぎたので記事としました。
受験者目線に立つと5.の練習方法を最初に読みたくなると思いますが、『急がば回れ』の精神で、まずは本記事にて1.~4.を読んで準備をすることをお勧めします。

技術士試験で求められる知識

そもそも技術士試験ではどのような知識、能力を審査されているのでしょうか?

旅行者が地図と装備を準備するように、資格勉強も丁寧に準備をすることで、効率的に勉強を進めることが可能になります。
いきなり過去問から論文作成の練習をするのではなく、試験の審査基準や設問設定の背景を理解することからはじめましょう。

最初に一番重要なことを記載します。

技術士二次試験(建設部門)の筆記試験で問われる知識とは、『国土交通省における重点課題とそれに対する方針(=重点政策)』であり、問われる能力は、その知識を設問に応じて、小論文としてアウトプットする能力となります。

※ 語弊を恐れず書くと、二次試験の筆記においては、ここが全てです。面接に進むと、技術者倫理等の筆記では確認出来ない内容が問われますが、筆記に関してはこれだけ。ゆえに技術力の証明になるかというと微妙な部分があります。

直近の試験問題の出題傾向を例に示します。

下表は、建設部門の必須科目と選択科目のうち河川砂防を抽出して令和2年〜令和7年までの試験問題のリストです。本記事を書くために、私の主観で概要をまとめたものです。
(ダウンロードして頂いてOKですが、後述するとおり、ご自身でも整理することを推奨します。)

近年の試験問題の傾向としては以下のような特徴が挙げられます。

  • 必須科目は、テーマに対して3つの課題抽出、最重要課題の深堀(対策)という設問の型が決まっている。
  • 必須科目は最終設問で技術者倫理、SDGsの観点からの(1)〜(3)までの業務を実施するための要件の記述が求められる。
    ※  R6年度までは「要件・留意点」でしたが、R7年度から「要件」のみに設問が変更されており、この点に注意が必要です。
  • 災害激甚化、循環型社会、老朽化、DX、人口減少、働き方改革、カーボンニュートラル・循環型社会(=持続可能性)、といった近年の国土交通省で重視されているキーワードが目立つ。
  • 「災害激甚化(=大規模地震、激甚災害)」「減災及びその周辺分野の課題」については、毎年、必須、選択のいずれかで確認される。

そして、これらのキーワードについては、『国土交通省における直近の重点政策』と整合しています

この根本的な設問設定の考え方は、10年以上前から変わっていませんし、今後も変わらないものと考えられます。なぜなら、国土交通省の発注する業務の監理技術者として技術士資格保有者を求めているのは、『技術士資格保持者は国土交通政策の課題と解決方針について十分理解していること』だからです。

さらに言えば、そういった背景を踏まえれば問題作成も採点も国土交通省関係の技術者に一定程度、頼らざるを得ないと考えられます。(勿論、民学からも参加されていると思いますが。)

他分野の技術士試験においても、白書からの出題が多い傾向があるようですので、おそらく全ての部門の共通の出題傾向を示すならば技術士二次試験では、『受験部門を所掌する省庁における重点課題とそれに対する方針』が問われるものと推察されます。

この基本さえ押さえていれば、情報収集や論文作成、添削においてどのような視点をもって取り組めば良いかが、自ずと分かると思います。

また受験年度の設問の推定にも非常に有効です。

後は、情報収集と論文作成テクニックの習得に一定の労力と時間を投下すれば、合格は見えてくるでしょう。

ニック
ニック

ここ、重要です。


出題傾向の把握方法

ここからは、1.を踏まえて私の経験も参考にしながら、建設部門を例に、効率的と考えられる2次試験の勉強方法を紹介したいと思います。(私がゼロからスタートするならこうするという方法)

勉強をスタートする前に、出題傾向の把握をします。
1.に示したような、直近の過去問のリストを作成しましょう。

過去問は技術士会のホームページから直近4年分の試験問題がダウンロード可能です。ダウンロードした過去問からリストを作成しましょう。(1~2時間もあれば作成できます。)
設問全てを一覧表にすると、全体傾向を把握するのが難しくなるので、要約版も作成しておくのが良いでしょう。要約版でリスト化することで分析作業が容易になります。

なお、頻繁に業界誌や業務で見聞きするようなキーワード(最近ならDX,カーボンニュートラル,気候変動対策)等は新しいキーワードであっても、今後、強キーワードに置き換わる可能性があります。

※ ↑は3年前のコメントですが、令和8年現在では完全に切り替わりましたね。

リスト作成が終われば、そのリストを分析をすることでキーワードを確認できます。リスト作成で重要なのは直近3~4年分の試験問題を対象にして作成することです。

国土交通政策も日々変化していきますので、5年以上前の問題は好ましくありません。直近では重要度が下がっていたり、政策スタンスが変化している可能性もあるためです。
一方、直近1~2年の試験問題だけでは、強いキーワードが見えてきませんので、やはり3~4年分の試験問題から傾向分析するのが良いでしょう。

ニック
ニック

最近は設問の傾向も変わっていますので、直近3~4年を参照するのがよいです。

傾向分析が、この先の勉強時間の総量と合否を大きく左右するので、少し時間を掛けて、丁寧に整理することをお勧めします。

人に作成してもらったリストを使ってもいいですが、自分で汗をかいてまとめた情報というのは記憶に定着しやすく、要約センスが磨かれるので、自分で作成することを推奨します。

紹介した分析方法は、数年後であってもその時代の出題傾向を割り出せる方法だと考えています。

国土交通省の重点政策を把握

ここでは、国土交通省における重点政策の把握方法について記します。

受験者は土木業界で10年近くの経験を有している中堅以上の技術者ですから、国土交通政策の基本的な流れは業務の中で見聞きしているかと思います。しかし、それらの情報の多くは土木分野の中でもさらに細分化された専門分野の知識であることが多く、全体を俯瞰して確認する機会は意外と少ないのではないでしょうか?

この全体像の把握を効率よく確認できる資料を紹介します。

それは、国土交通白書です。(有名なので耳タコかも知れませんが)

国土交通白書とは国土交通省が毎年作成する、国土交通行政の課題に対する重点政策を網羅した資料です。

国土交通白書は全編で400ページ弱あるのですが、全頁を読む必要はありません。私が受験した時にも必要な箇所を拾い読みで問題ありませんでした。

拾い読みの方法について私が行うなら、という方法を参考までに記載します。これが正解というわけでないですが、合格者のやり方の一つとして紹介します。

まずは第一部で全体的な課題を把握します。これも、直近の試験問題の傾向を見ながら、必要なところをピックして確認すればよいでしょう。

ニック
ニック

時間を掛けるととキリがないので、ザっと読んだら、論文作成の練習をしましょう。

第二部については、令和3年度版では10章で構成されていますが、技術士試験では問われにくい章も多いです。2.で作成した過去問リストの分析結果を勘案して確認箇所を決めます。

私見ですが、令和3年度版ならば、1章,2章,10章をひとまず抑えれば良いと感じました。

あとは、目次は残しておいて、今後の論文の骨子作成時や執筆後の復習時に必要に応じて、必要な箇所を読み返すことで良いでしょう。このあたりは、論文作成についての記事でもう少し細かく説明する予定です。

具体の政策・最新の情報の確認

国土交通白書により、国土交通行政の大枠は把握できました。

次に、個別課題と解決策について確認していきます。この確認方法は技術雑誌や技術基準を確認するなど、さまざまな方法がありますが、トレンド把握として優れているのは国土交通省の作成する予算説明資料と内容を次年度予算編成を概説してくれている雑誌記事(例:河川砂防なら、雑誌『河川』で特集されます)です。政策の背景や具体例を知っていると、骨子や論文の作成が容易になり、内容に厚みが増します。他分野でも似たような恐らく類似の資料があると思います。

あとは、自分では試したことはありませんが、A判定の答案を公開している合格者も最近は多いので、設問とA判定の答案で、合格ラインを超える答案を読んでおくというのも良い気がします。

具体のやり方や実践例については、論文作成の練習方法と併せて別記事を作成しようかと思います。

ニック
ニック

こうご期待。

論文作成の練習 (→別記事へ)

いよいよ、論文作成の具体の練習方法について記載を、、、
と思ったのですが、記事が長くなりそうなので、別記事にしました。

ニック
ニック

あんまり長くても、しんどいですよね。

※ 論文作成の練習方法に関する記事は、現在、本ブログでは公開していません。
  読み返すと、わかりにくい箇所があったので再編成してnoteの記事に掲載しました。
  (以下のリンクから飛べます)

※ 100時間で技術士二次試験に合格した勉強法【後半】|nick-blog (note.com)

まとめ

本記事では、技術士試験において問われる知識と、情報収集の具体的な方法を説明しました。

以下の記事では具体の論文作成練習や、書き方のTIPSも記載しています。

※ 論文作成の練習方法に関する記事、個別テーマ学習記事については、現在、公開していません。
  読み返すと、わかりにくい箇所があったので、順次、再編成してnoteの記事に掲載する予定です。
  (現在、3テーマについて学習記事と想定問答記事をnoteにて掲載中)

 論文作成の練習方法に関する記事をnoteで公開しました。(随時更新)

     100時間で技術士二次試験に合格した勉強法【後半】|nick-blog (note.com)

本記事とこれらを知っていれば、どこから手を付けたら良いか分からないということはなくなり、『闇雲に過去問を解いてみたけれど、合格レベルの答案ストックが作れない』という事態は避けられるのではないかと思います。

効率的な勉強法を知っていたとしても、仕事をこなしながらの資格試験の準備は大変です。
それでも技術士は、苦労して取得するメリットは十分ある資格だと思います。(メリットについては別記事参照)

『次回の受験で確実に合格する』という強い意志をもって頑張りましょう。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました