博士論文審査の事務手続きについて ~事前準備や準備期間など~

博士号取得

こんにちは、ニックです。

今日は博士論文の論文審査の事務手続きについて、早めに準備しておくと良いことや、準備に必要な期間等について整理しました。

それでは見ていきましょう

(1)最新の手引きの確認

最初に各大学にて作成されている論文審査申請のための手引きを確認しましょう。

私の審査してもらった大学では「学位申請者(論文博士)のための手引き」があり、こちらに従って書類を準備しました。

手引きはネットからも確認可能な場合が多いと思いますが、最新版がうまく見つけられない場合があります。私は主査の先生から頂いたファイルが少し古いもので、その後、大学のHPから最新版を入手したつもりだったのですが、さらに新しいものがあることを、申請時に知りました。

ですので、各大学の申請窓口に直接問い合わせて、最新の手引きを入手することをお勧めします。

(2)早めの準備

申請書類は早めに確認しておきましょう。

主査の先生から申請のGoサインが出ても、事前に準備をしておかないとかなり時間がかかります。私は半年前から、少しずつ準備していたつもりでしたが、実際に申請するまで2週間くらいの時間がかかりましたし、不備の修正等もあり受理してもらうまで1月弱かかりました。

特に注意しておいた方が良い事項は次のとおりです。

早めに準備しておいた方が良いもの
  • 受付時間および提出物等の確認
  • 履歴書の作成(高校、大学等の卒業年月日)
  • 共著者の同意承諾書の準備
  • 製本の段取り

受付時間および提出物の確認

大学によるとは思いますが、学位審査の申請書類の受付時間が限られている場合があります。

例えば東京大学では毎週水曜日の9:30~11:30&13:30~14:30の週3時間に限られており、ここを逃すと1週間申請日が遅れます。

年度内に学位認可をもらいたいような場合で、論文の進捗等でギリギリになってしまうような場合に、申請日が遅れて全てのスケジュールがずれ込むという状況は避けなければなりません。

そもそも、その様な余裕のないスケジュール管理をしないのが基本ですが、受付時間が限定的でないかも念のため確認しておきましょう

また、提出物について不備があれば、当然差戻が発生します。

東京大学は令和3年度から、製本論文以外の申請書類は電子申請となったため、申請前に事務担当者に電子ファイルで事前確認をしてもらえます。私は履歴書に不備があり(後述)事前確認をしてもらっていなければ、1週間申請が遅れるところでした。

もしも事前確認をしてもらえるようであれば、必ず事前確認してもらいましょう。(特に電子申請が導入されていない場合は不備があった場合は差し替えに相当な時間がかかるので)

事前確認により修正がある可能性を考えると、事前確認の依頼は提出予定日の1週間前には依頼したいところです。

履歴書の準備

履歴書等の書類については、主査からGoサインをもらう前から準備は出来るので、準備可能な書類は早めに準備しておきましょう。

私は、高校、大学、大学院の卒業年月日に不備があり指摘を受けました。

私の場合、年月日まで記載が必要でしたが、卒業証書も手元になく、全く日付を覚えていなかったので全て3月31日にして提出していました。(おいおい、、、)

ここに指摘が入り、再確認することになりました。実家と大学に確認の電話を入れて、正確な年月日に修正しましたが、卒業証書を手元に持っている人も少ないでしょうから、予め準備しておきましょう。

同意承諾書の準備

事前準備の中で、一番時間がかかります。

公表論文の共著者から、当該論文の内容を博士論文としてまとめていくことについて承諾をとるものです

「ニック氏提出の博士論文中,私と共著(共同研究)の下記部分については,ニック氏の博士論文とすることを承諾いたします。 ~~~(論文名等)」

のような内容の承諾書に押印(又はサイン)をした文書を共著者に提出してもらう必要があり、一般的には1~2週間くらいの期間でお願いすることになると思います。

すぐ返信してくれる人もいれば、〆切を超える人もいますので、早めに準備しておきましょう。

予備審査の日程が決まったころから準備しておくのが良いと思います。

(3)製本原稿の準備期間

製本原稿を5部作製して発送する必要があります。

この製本原稿は抜き差しが出来ないないよう背表紙付の状態で製本する必要があり、二穴ファイルで綴じたものでは受理してもらえません。

簡易製本でも良いので、自分で印刷製本しても大丈夫です。私は自作しました。

印刷業者に外注して製本してもらってもかまいませんが、審査後に修正したものを最後に製本するので、外注するのは少しもったいないかなと思います。(結構かかりますし)

外注するにしても、自作するにしても、時間が掛かります。外注の場合でも1週間程度の時間が掛かりますし、自作の場合でも、普通は休みの日しか作業はできませんから、やはり時間がかかります。

製本準備には2週間程度の時間がかかるという前提で、スケジュールは考えておきましょう

(4)スケジュール管理

審査に関する事務手続きは、前述の製本原稿と電子申請資料が揃った段階で申請が受理されます。

申請書類を事前に全て準備しておけば、申請手続きまでの作業は以下のとおりとなります。

①電子申請書類の事前確認     → 修正 → 電子申請 (1週間*α)
②製本原稿の作成(印刷+製本) → 発送(2週間)

事前準備をしておけば最速で2週間みておけば電子申請は出来るということです。

ただし、主査の先生の申請の了解が得た後も、微修正をしたくなる場合もありますので、主査の先生の事務手続きを進める了解をもらってから申請書の受理までの期間は、1カ月くらいの期間を想定しておくのが良いかと思います。

私の時も事前準備はそれなりにしていましたが、なんだかんだで1月くらい掛かりました。

社会人ドクターの場合、本業が忙しい時期だったりする可能性もありますので、気になる方はさらに余裕期間を見る人もいるかもしれません。

学位授与式の時期から逆引きし、上記の申請手続き期間も考えて、予備審査や副査面談、その後の調整などを行う目標時期を定めていくと良いかと思います。

基本的に、想定よりも時間が掛かるので、前倒しできるときは、前倒しの工程管理を心がけましょう。

まとめ

博士論文審査の事務手続きに必要な期間と、事前準備等についてまとめてみました。

公表論文の共著者からの同意承諾書作成、事前確認修正、製本作業等にそれなりの時間がかかります。

主査の先生から事務手続きを進める了解を得てから申請書の受理までの期間は、事前準備をしたうえで1カ月程度の期間を想定しておきましょう。

私が事務手続きの書類作成が得意ではないので、よけいに時間がかかっているかも知れませんが、このくらいの余裕をみて準備をした方が安心ではあります。

本記事が社会人ドクターで学位取得を考えている人の参考になれば幸いです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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